研究費をムダに失わないために伝えたい4つのこと


1. 実験ノートの書き方

 何をどこまで書いたらいいのか、自分で判断しろ、言わなくてもわかるだろう、と思っていませんか?

 実験結果の再現性を確認したり、後輩に引き継いだりするためにはどこまで書いてあればいいか、を考えてなるべく詳しく記録するように指導しないと、多くのムダが起こります。記録があればやらなくても済むはずの条件検討を繰り返さなければいけなくなります。

実験ノートとラボ整理の深い関係


2. 整理と棚卸し習慣

在庫があるはずなのにどこにあるか見つけられない・結局みつからなくて二度買いしていませんか。
収納の中は余裕がないとさがしにくくなってしまいます。棚卸しや霜取りのメンテナンスが必要です。
棚卸し習慣がないと、使いづらく掃除もやりにくいラボになってきます。
実験の遅れという時間的ロスが生じることにもつながりかねません。

「しまう場所がたりないからフリーザーを買おう」と限界まで増やしていった結果、狭いスペースに置かれたインキュベーターのフィルターが詰まっていても気づかれず、止まってしまったことがありました。

整理されていないラボで起こる4つの困ったこととその対処法


3. デジタルデータ管理方法


 すべて本人頼みの属人的管理になっていませんか?

 ラボメンバーのデータのありかがわからない・どこを見ればいいのかわからない、ファイル名の命名ルールがバラバラ、という状態だったらどうなるでしょう。
キーワード検索すると、同じようなファイル名のものがヒットするがどれが採用データなのかわかりにくい。
個々の生データを他人がチェックする際、長時間探すことになります。

デジタルデータの整理整頓

4. 片づけは仕事の一部


ラボを安全で快適な環境にする上で片づけは欠かせません。ひとたび事故が起きたら自身の研究室だけでなく周辺の研究活動にも影響が及ぶことがあります。その時間的・経済的なロスや精神的な打撃は相当なものです。

ですから、片づけは「ボランティア活動」ではありません。仕事の一部なのです。研究指導者がその認識を持っていないと、指導を受ける側は「片づけは歓迎されないんだな」と思って気づいたことを言わなくなってきます。そして、使いにくいラボ環境で我慢しながら実験することになります。

こういうラボで働きたいですか


まとめ

自分自身が整理整頓に対して苦手意識がある方は、他の人が「片づけをしよう」と言うと、自分への当てつけのように感じ、態度や表情や言葉で不快感をあらわすことがあります。
しかし整理整頓は、本来はリーダーが主導し、メンバーの自主的な行動を歓迎するべきことです。なぜなら、研究費節約につながるだけでなく、研究成果を上げやすくするための環境整備だからです。
苦手意識は整理整頓・収納についての理論や知識を身につけることで解消できます。これまで以上に良い研究環境にしていきたい、でもどこから始めたらいいかわからない、という方にとっても役立つでしょう。

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