- 研究所は特殊な場所です。研究者は人と違うことをやり、物事を違う見方で見ることを求められる職業です。これを理解せずに他の場所と同じやり方を適用しようとしてもうまくいきません。
- 研究所における整理整頓の目的は研究成果をあげやすい環境を作ること(あげにくくなる要因を排除すること)です。見た目を整然とさせることが目的ではありません。
- 組織の中のモノ整理はトップダウンで物事を進める必要があります。特に高額なものを廃棄する際、経営者または権限を持った管理者が責任を持って要不要の判断をしなければなりません。部下や一部のメンバーに丸投げしないでください。
- 見た目にとらわれてはいけません。特に、リーダーとして動く方が非常に几帳面で書類の角を揃えて置いていないと気が済まないような方である場合、他の方の私物や、個人でしか使わないモノがきちんと置かれていないとイライラする場面が見受けられます。他人の価値判断やモノの置き方に自分の感覚を適用しないように気をつけ、個人のやり方を尊重しましょう。
- 共用のものはまず整理から。収納について考えるのは整理の後です。整理するとゴミがたくさん出ます。ゴミにしていいかどうか判断できないものも多く出ます。そのため、そうしたモノを一時的にためておく場所が必要です。どこにそのスペースを設けられるか考えてみてください。
- 整理整頓は業務の一部です。正社員でなくても、どんな立場の人であっても、その場所を使っている人は平等です。誰かにとって使いにくい場所は他の人にとっても使いにくい場所である可能性が高いです。「ここを片付けたい、もっと使いやすくしたい」という方の話には耳を傾け、協力してください。
- 整理収納の知識がないゆえに気づけないことがあります。使いやすい研究所にし、今後も不要なものがたまらない片付く仕組みを作るには勉強・計画・実践・見直し、が必要です。
- 人間関係がうまく行っていない場所では整理が進みにくいです。なぜなら、共有のものを整理するにはコミュニケーションが欠かせないからです。
- 「注意しても聞いてくれない」というケースがあります。問題点に気づいていない、変化への抵抗がある、あるいは注意されたことに対して従いにくい何かが(戻しにくい場所に収納されている、など)あるのかもしれません。自分以外の人が原因で整理整頓が進まない場合、何が原因なのか話を聴いてみましょう。パーソナリティー以外の原因かもしれないです。説得できなくても無理強いはしないこと。そして勝手に進めないように。重要なのは納得してもらうことです。
- 組織としての決定で整理すると決めたなら、経営者の方も一緒に整理収納について学んでください。今後の研究のために役立つという確信を持って進めましょう。変化への抵抗は必ずありますが、同じ知識・理解を持った経営者からの後押しがあれば、たとえワーキングチームや部下に任せたとしても、整理整頓を進めやすくなります。
ご参考になれば幸いです。
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