そもそも、こうしたシステムを導入する背景にあったのは、施錠管理するべき試薬が不適切な場所から見つかったこと。また、管理試薬に法指定される薬品が増えていくにも関わらず、現状では会社にそれがあるのかないのか追跡・検索できない、という問題に気づいたから。試薬の管理体制がずさんだという現状は会社の社会的信用にとって悪影響しかないでしょう。
試薬管理が行き届いていると、研究者にとってもメリットがあります。いつ購入したものなのか、誰が管理しているのか、どこにあるのか。こうした情報が共有できることは、古い試薬を使ったことによる実験の失敗を防ぐことにもなりますし、使用経験がある人の話を聞きに行くこともできるので非常にありがたいことです。
現在は多くの研究所や大学で類似の管理システムが導入されているかと思いますが、もしまだなのであれば、何か問題が起きる前に管理体制の見直しを強く推奨したいです。