もしこの部屋に誰かいたら?
あなたの研究オフィスや実験室では地震対策をしていますか?
棚は壁に固定されていても、写真のように棚の中身は落ちてしまいます。
台の上に置かれたプリンターもずれています。かろうじてモニターの上に乗る形で止まっていますが、モニターがなければ床に落ちていたでしょう。
ラボでは実験台の上に置かれたガラス瓶は落ちると思ってください。
倒れにくくなるよう、カゴに入れましょう。
キャスター付きのワゴンにはストッパーをかけるか、キャスターの下に車輪止めを置きましょう。
大地震での被害を完全にゼロにするのは不可能かもしれませんが、二次被害は防げます。落ちて割れたもので怪我をしたり、飛散した薬品によるさらなる被害は防ぐことができます。
地震への備えは、まず想像力を働かせること。安全巡視で指摘されていないから大丈夫、ではなく「大きな揺れがきたらここに置いてあるものはどうなるか」と考えてみましょう。
*写真は2011年の東日本大震災のあと、茨城県水戸市で撮影されました。
研究所や大学には研究者だけではなく他の職種の方も働いており、多くの人のサポートにより研究活動が成り立っています。しかし、研究サポーターとして研究業務員や技術補佐員という名称で呼ばれている職種の人がいることはあまり一般には知られていません。重要な役割でありながら雇用不安定な立場で働いている方も多い。非常勤で最長五年の雇用期限、研究費がなくなったり教授が変わったりすると途中で契約解除されるというケースもよくあります。
そうした研究サポーターには、「この散らかった部屋(実験室・オフィス)を片付けたい」と思いながら叶わないことがあります。
かつて、勤務していた企業の研究所で試薬管理システムを導入することになった際、会社から号令がかかりました。期限付きで(1ヶ月くらいだったと記憶しています)。
「あらゆる場所で試薬の存在を確認しリスト作成するように。他の全ての業務を差し置いてもこれを最優先とする。」
倉庫の箱の中も引き出しの中も全て、という意味です。これが研究所の中だけでなく工場や営業所含め全社で行われました。
組織のトップがこのくらいのことを言わないと、組織の中の変革は起きないんだな、と強烈に感じた出来事でした。
実験ノートを保管していなかったがゆえに捏造疑惑を晴らせず退職金ももらえない・・・そんな悲劇、我が身に起きないようにしたいですね。
某有名大学に所属していた元教授が在任中に書いた論文。このうちの数本は故意に捏造されたものだと判断した、と報道がありました。以下、新聞記事から一部引用します。
実験機器がたくさんあればあるほど大変な”例の”行事。
秋になるともう鏡やスマホを持ってありかを確認して回る姿が見受けられます。
リストにはあるのになぜが現物が見つからず幽霊化していることも。
研究所の職場で ”片付けない人” に上司が注意したとします。
注意して改善すればいいのですが、言っても聞いてくれない、という場合も結構あります。
言われた人にとって、上司のいうことは従うべきルールと捉えられていないのでしょう。もしかすると、「この方が便利なのになぜ反対するのか」くらいに思っているかもしれません。
誰かが個人的に言っても受け入れられない。
そこで全体に注意喚起したり厳しくチェックしたりすると、
「自分はちゃんとしてるのにどうして言われなきゃいけないの」と不満に思う。
「〇〇さんのせいで自分たちまで怒られた」と職場の雰囲気が悪くなってくる・・・。
これはどうしたらいいでしょうか。