ラボに滅多に来ない人がこんなものを置いているのを、近くのラボで見かけました。
中身がわからないもの(ダンボール箱や袋に入っている)
書類ファイル
DVDやビデオテープ
実験には全く必要ではないこれらのものを片付ける方法について書きます。
あなたが片付けたいほうの側に立つ人の場合
もしあなたが綺麗好きで、乱雑に置かれているモノが気になっているとしても、それはモノを置いている人にとっては片付けをする理由になりません。
研究にとってそうすることが必要だ、という“大義”がなければ相手を動かすことは困難です。
片付けるための”大義”とは
例えば、
- 実験する人数が増えた
- 実験機器などを置くスペースが足りなくなっている
- 実験に使うものが取り出しにくくなっている、または使いにくくなっている
- 実験の動線が非効率的
- 床に置かれているために通路が狭くなっている
- 避難経路がふさがっている
- 地震の時に落ちて来そう
と言う状況は、誰かに片付けを提案するときの理由となり得ます。
片付けの必要性(理由)を図で説明できるようにする
相手に理解してもらえるように学会でプレゼンする時と同じスキルを使いましょう。
説得のために、片付け後のレイアウトプランを用意します。ゴールイメージが図として明確に示されれば、コメントや意見を言いやすいです。片付けがどのくらいの作業量になるかも予想できるでしょう。
誰を最初に説得すれば上手く進むか
時には、話をする順番が重要です。トップダウンが必要な場合もありますし、メンバー全員に一斉にメールすればいい場合もあります。(誰かの顔を潰したりプライドを傷つけたりしないよう、言い方やメールの文面には気をつけましょう。)
大掛かりなレイアウト変更を予定する場合には、キーとなるひと2,3人に先に意見を求め、何かコメントをもらったらそれを元にプランを書き換えます。
なぜ置いてあるのか聞いてみる
大抵の人は、自分のものを片付けて、といきなり言われると、ムッとします。しかし、本当は片付けたいのだけれど、忙しくて片付ける余裕がないために仕方なく置いている場合もあります。どちらなのかは聞いてみないとわかりません。聞いてみたら案外、「片付けたいと思っていたんだけれど時間がなくて」と言われたりします。
「教授から頼まれたから」とか、「この資料ないかって、外部から問い合わせがあったから(数年前だけど)」というケースもあるので、置いてあるものの価値を否定しないように気をつけます。
相手が話しにくくて聞けない(教授だったり先輩だったり、苦手な人だったりして)と言う場合は他の人に頼んで代わりに聞いてもらうのもいいかもですが、あなたには”大義”の後ろ盾がありますので、臆することはありません。信念を持って、にこやかに聞けば大抵大丈夫です。
計画的に行動を起こす
片付けも実験と同じです。目標(実験目的)を決め、材料を用意し、手順を考えます。そのあと手を動かして実験をしなければ何も結果は得られないのと同様に、行動を起こさなければラボの現状を変えることはできません。
リーダーシップをとることを恐れずに、計画的に行動を起こしましょう。