デジタルデータの整理整頓


会社など組織の共有サーバーの中はいろいろな分類がされていると思います。

皆さんの職場やラボではデジタルファイルの保存について工夫をされていますか?
他のメンバーと情報共有しやすいようなルールはありますか?

ある研究者の悩み

自分はちゃんとしていても誰にも褒められもしないし

誰かの後始末で時間を損してばかりいるような気がする

このストレスはいつまで続くの?

・・・・・

こういう悩みはあなただけではありません。

「ラボあるある」な悩みです。


例えば空き箱が放置されているとか


留学生の記憶に残って欲しくないもの

日本のラボで学んで自国で活躍したり、さらに米国やヨーロッパに渡って研究者修行するはずだったのに、COVD-19のために計画通りにいかなくなった若い研究者がたくさんいるに違いない。

2年前から日本に来ていた友人のモンゴル人留学生は、修士の学位をとって卒業したものの国に帰れなくなり、アルバイトをして暮らしている。

また、職場のポスドク研究員は任期が終わってタイに帰るはずだったが、任期延長となっている。

滞在期間が長くなってもおおっぴらに観光旅行できる状況でもなく、ビザの延長申請に水戸まで行くくらい。

去年だったら京都や富士山やその他日本の観光地巡りを楽しめているはず。それなのに今年は花見もなし(研究所の桜を撮ったくらい)・土浦全国花火大会なし・祭りつくばなし・で、楽しいイベントを見せられず残念至極。

彼女たちには楽しい思い出というものが何かできたのか、やや心配である。

そういえば一つ、日本の思い出として残って欲しくないものがある。

昨年末の大掃除で、給湯室冷蔵庫の片付けを手伝ってくれたインドネシア人留学生のFさん。

優しく賢い彼女の記憶に賞味期限20年前のブドウジュースが残らないことを切に願う。

学術論文紹介セミナー文献リスト

整理に関係した学術論文を紹介しています。知的興奮を味わっていただけるよう、エピソードなど交えてわかりやすく解説します。知識の獲得・思考の手がかり・話のネタとしてご活用ください。
英語論文を日本語でまとめてご紹介しますが、論文の内容だけではなく、テーマに関連したトピックスについてDiscussionすることで、より考察が深まるように構成しています。どんな話が飛び出すかは聞いてのお楽しみ。


文献番号1
物質的な秩序は健全な選択、気前の良さ、慣習を生み出すが、無秩序は創造性を生み出す
Physical Order Produces Healthy Choices, Generosity, and Conventionality, Whereas Disorder Produces Creativity
Kathleen D. Vohs, Joseph P. Redden, and Ryan Rahinel
Carlson School of Management, University of Minnesota
Psychological Science, 24(9) 1860–1867, 2013
ちらかった環境と片付いてる環境ではどちらが創造性を発揮できるのか?

文献1は創造性との関係についてのミネソタ大学からの研究報告を紹介します。散らかった部屋と整頓された部屋に被験者を振り分け、3つの実験を行いました。
さあ、どんなことになったでしょうか?
どういう指標で創造性やその他諸々を評価しているか、興味ありませんか?


文献番号2
日本のベストプラクティショナーから5Sの原則を学ぶ:5つの製造会社のケーススタディ
Learning 5S principles from Japanese best practitioners: case studies of five manufacturing companies
International Journal of Production Research 52 (15) 4574-4586, 2014
海外にも広まっている5S。

ヨーロッパの研究者から、日本の5Sはどう見られているのか?
成功している企業でどんな風に実践されているのかを調査した論文をご紹介し、さらに、なぜ5Sは海外で広まったのか?について考察していきます。
注:5Sとは:整理・整頓・清掃・清潔・躾 の頭文字をとって5Sと呼ばれています。おもに製造業の職場改善・生産性向上・品質改善などに役立つ手法として用いられています。私のセミナーは5Sそのものについてのセミナーではありません。また、5Sの良さを紹介する目的のものでもありません。5S未経験者の視点で無知の状態から論文を読んで考えたことをお話します。5Sを実践している方・コンサルをしている方にもぜひ聞いていただき、一緒にお話したい内容です。


文献番号3
乱雑なオフィスはあなたの心を乱雑に見せる?オフィスの外見で判断されるオーナーの性格
Does your messy office make your mind look cluttered? Office appearance and perceivers’ judgments about the owner’s personality
Personality and Individual Differences 138, 370-379, 2019

アメリカの心理学研究室で行われた実験です。わざと散らかした研究者オフィスを作って持ち主の性格を想像してもらうという認知に関するお話。
(私から見ると散らかし方が手ぬるいと思うんですが。机の写真入り論文です)
文献1は環境が行動に及ぼす影響について実験した話でしたが、それとは異なり、散らかった部屋がどんな偏見を生み出すかについての背筋の凍る(?)研究結果です。
これを知ったら、デスク片付けようと思う、かも?

(このリストは随時更新)

ご興味ある方はお問い合わせフォームからお聞きになりたい文献番号および希望日時をお知らせ下さい。Zoomリンクをお送りします。
セミナー1回40分・1000円でお願いいたします。(聞いて見て面白かったら、の後払いでOKです。)

ご要望ありましたら随時開催いたします。

ウィズコロナの時代で研究所での働き方はどうなる?

COVID-19が世界を動かしている今

緊急事態宣言前からほとんどリモートワーク化して、それでも別に支障はないという業界もあるようですが、研究所の仕事を全てリモートワークにするのは不可能です。
論文執筆や事務的な提出書類、グラント申請の書類書きなどペーパーワークはなんとかなりそうですが、肝心の実験は装置や試薬のあるラボにいかないとできません。

研究所の職場は今

私の職場(研究所です)は4月中2週間ほど在宅勤務となっていましたが、週一回だけ、実験をやりに出勤することが許されていました。

在宅の間は、「時間を無駄に使わないようデータ解析や論文書きをする」「レビュー(他人の書いた論文をまとめて解説した論文)を書く」ということが推奨されていました。

ゴールデンウィーク後は通常出勤になり、一日中実験できる幸せを味わってます(じっとしているのが苦手なので)。

所内の変化としては、
1. オフィスでは座席の間隔を空け、窓をオープンにし、扇風機を回している
2. 話をするときはマスク着用
3. 食堂の席が間引きされ、向かい合った席に座らないよう、椅子が積み上げられている

前は留学生と一緒にご飯を食べてお喋りしたりお弁当のおかずを分けてもらっていたのですが、今は積まれた椅子を前に寂しく一人でランチ。椅子を積み上げる代わりにパンダのぬいぐるみでも乗せておいてほしいくらい殺風景です。

ラボはどんな状態かというと、実験室毎に入室の人数制限が今も続いています。クリーンベンチが3台ある部屋なのに、狭いので一度に入れるのは2人だけ(2020/6/27現在)。
ちょっと細胞培地をあたために、とか、細胞の様子を観察しにクリーンベンチの部屋入りたい・・・と思っても、2人が入っていたらどちらかが出てくるまで待っていなければならない。また、これまでは共用のサンダルや実験着だったのが、クリーンルーム入室の時は自分専用サンダルと白衣を着るというルールに。

不便と思ったのは最初だけ

”いつでも入れる”という意味での自由はなくなりましたが、時間の制約があると実験を(以前にもまして)計画的にやるようになったと感じています。特に、夕方5時で実験室が閉まるのでのんびりとはしていられない。実験の待ち時間で一息ついていると留学生や同僚が話しかけてくることもあったのですが、そういうことも半分くらいに減りました。

今までは切りのいいところまで実験進めて、解析まで終わらせよう・・・と考えると5:30PMや6:00PMまでラボに残っていることもありましたが、今は5:00までにできるところで終わりにする、という風に変わりました。

いくつか変化はありましたがこれに慣れてしまうと大変とも不便とも思わなくなっていることに気づきます。あまり余裕のない実験計画は立てなくなり、実験の段取りや時間管理について考えるきっかけになっているのです。

危機への対応はまず整理から

先日、企業の経営者が考えていることがテレビで紹介されていました(2020年6月23日放送 NHKクローズアップ現代 ”ウィズコロナの会社革命”)。

例えば、

「”要るもの”と”要らないもの”を見極める」サイボウズ 青野慶久社長)

「ムダだと思ったものは削ぎ落とし”筋肉体質”になることが大事」(ローソン 竹増貞信社長)

やはり危機的状況に対応するのに一番適した方法は整理することなんですね。コストもかからず、最も簡単にでき、しかも確実に効果が上がります。

日本には1980年代より、トヨタ自動車に始まるジャスト・イン・タイム、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)やKAIZENという方法論があります。バブルが崩壊して利益が減ったことをきっかけにこの5S を導入し、成功したという会社もあり、危機に効果を発揮する手法なのです。
5Sは主に製造業で導入されている方法として有名ですが、東京医科歯科大学歯学部付属病院のように、10年も5S活動を続け、今では海外から見学にくるほどになっている医療現場の成功例もあります。

5Sは工場のもの、と先入観で考えずに、自分の職場で取り入れられるところはないかという目で調べて見るといいかと思います。今はまさに、5Sに限らず整理の方法論を学ぶいい機会です。

研究所でもやれることは色々あります

研究という仕事は効率をアップしたからといって成果に反映するとは限らない。効果を数値で表しにくい。だから整理整頓が進みにくいという面があります。

しかし整理整頓は研究者にとって重要な ”考える時間を増やす” 効果があり、また煮詰まったりやる気が出ないとき、うまくいかないときに気分転換にもなります。さらに、コミュニケーションが活発になる、快適さが増す、研究費の節約にもつながります。

研究所でも他の業種と同じく、ウィズ・コロナの時代に必要な行動は”整理”そして”整頓”です。研究所には様々な所に要らなくなったもの・使えなくなったものが眠っています。そうしたものを見直し、ただ場所を埋めているだけのものは捨て、必要なものは適切な場所に置く。これが未来の研究を活性化していく確実な方法なのです。

整理に関した学術論文紹介セミナー(日程はご要望に合わせて設定可能)

ラボ・研究オフィス整理収納アドバイス・講演などのご依頼

整理に関係した学術論文紹介セミナーはじめました

『整理するとスッキリするって、誰か研究してるんですか?』


と研究者の方に質問されたことがあります。

さすがに研究者だけあって、常識を疑う鋭いご質問です。

整理収納アドバイザーの講座ではごく当たり前のことのように整理の3大効果があって、それは精神的効果、時間的効果、経済的効果ですと教えられます。

でも考えてみると、片付けるとスッキリするのは(自分には)そう感じられるというだけで、人によっては苦しいものなのかもしれない。片付けるとむしろ居心地悪くなってしまうのかもしれない。

そもそも、どこまでがどういう実験で証明されているのか?それともそんな研究はないのか?という疑問が湧いてきました。

研究者経験を持つ整理収納アドバイザーとして、単に自分の経験上の事例や受けた講座の受け売りではなく、私にしかできない何か面白いことをやりたい。
そういう思いから、整理整頓によって得られる効果やデメリット、創造性との関係などについて文献調査を開始しました。

始めたら色々脱線して関係ないところまで調査の手を伸ばしてしまうのですが、それがまた楽しい。調べて考えた結果を他の人と共有するとまたいろんな視点からの話が聞けてさらに楽しい。

ということで、ご希望の方にオンラインで論文紹介セミナーを開催しております。
どうぞお気軽にご参加ください。
(有料でダウンロードした文献を中心にご紹介しています)

最新開催日程の情報は
”論文紹介セミナー日程お知らせ”をご覧ください。