実験機器がたくさんあればあるほど大変な”例の”行事。
秋になるともう鏡やスマホを持ってありかを確認して回る姿が見受けられます。
リストにはあるのになぜが現物が見つからず幽霊化していることも。

ラボや研究オフィスを整理して研究成果を出そう!ラボの整理収納をテーマに研究しているラボ整理研究室のサイト。
ラボで必要なメンテナンスについて紹介します
”青々と草が生い茂る共有の牧草地で複数の人が牛を飼うとき、各個人が牛を増やして利益を追い求めると社会の秩序が壊れてしまう。”
アメリカの生物学者、ギャレット・ハーディンはこのことを「共有地の悲劇」と呼んで紹介しているそうです。(Science 162. p1243-1248, 1968)
ロルフ・ドベリ著 ”Think right” (2020年、136ページ)の中で著者のドベリ氏は、
共有地を問題なく使うためには解決策は2つしかない
と結論づけています。その解決策をラボに当てはめるとどうなるでしょうか?
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今回の記事では、ラボでの共用の場所をめぐるトラブルと、ストレスの少ないラボの共通点、また、リーダーにおすすめしたいことを書いています。
目次
1. ラボで見られる共有地の悲劇
2. 解決策を待ち受けるさらなる問題
3. 共有地ストレスの少ないラボの共通点
4. どうしたらいいのか
中身空っぽなのに箱置きっぱなし。次のぶんの発注や補充を誰もしていない。
ある方法を導入したらこれが激減しました。
完璧ではないにしても、ある程度の効果はあります。
実験している人が多い研究室ほど、整理を習慣づけるのが難しいです。
整理ができていないことによって起きる4つの困ったことと対処方法を紹介します。
ラボでは-80℃まで温度が下がるディープフリーザーと、-20から-30℃のフリーザーを、中に入れるサンプルの種類によって使い分けします。
家庭用の冷凍庫(-20℃)は霜がつかないようにする自動霜取り機能(機械が勝手に温度を上げている)がついているのですが、ラボのフリーザーはサンプルを温度変化から守るため、そのような機能がついていません。そのため、霜取りを年1回くらいはやる必要があります。
それをやらないでいると、以下のような困ったことが起きます。