あなたの研究現場は地震に備えてますか?

もしこの部屋に誰かいたら?
あなたの研究オフィスや実験室では地震対策をしていますか?
棚は壁に固定されていても、写真のように棚の中身は落ちてしまいます。

震災後の研究オフィスの様子


台の上に置かれたプリンターもずれています。かろうじてモニターの上に乗る形で止まっていますが、モニターがなければ床に落ちていたでしょう。

震災後の研究オフィスの様子


ラボでは実験台の上に置かれたガラス瓶は落ちると思ってください。
倒れにくくなるよう、カゴに入れましょう。
キャスター付きのワゴンにはストッパーをかけるか、キャスターの下に車輪止めを置きましょう。

大地震での被害を完全にゼロにするのは不可能かもしれませんが、二次被害は防げます。落ちて割れたもので怪我をしたり、飛散した薬品によるさらなる被害は防ぐことができます。

地震への備えは、まず想像力を働かせること。安全巡視で指摘されていないから大丈夫、ではなく「大きな揺れがきたらここに置いてあるものはどうなるか」と考えてみましょう。

*写真は2011年の東日本大震災のあと、茨城県水戸市で撮影されました。

研究費をムダに失わないために知っておきたい4つの方法

研究者の皆さん、研究費をムダに失うことがないように防ぐにはどうしたらいいでしょうか。どんな方法があるでしょうか。

研究活動自体、試行錯誤が必要なこと。ですから実験に伴う失敗や材料の購入費などは ”ムダ” にははいりません。しかし教育研修や指導によって防ぐことができるにもかかわらず、それをしないことによって生じる経費や時間のロスは ”ムダ” と呼んでもいいのではないでしょうか。

今回、学生・大学院生・企業研究所の若手社員やその指導をされる方に対し、研究費のムダを防ぐためにお伝えしたい必須の方法を4つあげます。

電子ファイル名のルールをリセットしませんか?

研究所や大学にいるみなさん、電子データファイル、さがしにくくて困っていませんか?もし困ったことが起きているならば、デジタルファイルの保存方法や命名ルールを見直してみましょう。

困ったことの例としては

・過去のデータが探せない

・検索キーワードでヒットしない(命名法がバラバラだから)

・ヒットしすぎて絞りこみにくい

・情報共有がうまくいってない(属人的管理)

・保存の階層が深くなりすぎ

・分類が複雑でわかりにくい

・自分の呼び方と人の呼び方の違いによる用語の不統一

何のルールもない部署やラボでは、電子データや電子ノートのタイトルを各人が『適当』につけている。属人的な管理方法や命名をそのままにしておくことは、研究にとっての時間的・経済的損失につながります。
そしてなにより、「探し出せないことによる精神的なストレス」があるでしょう。


解決のヒントがほしい、具体的にどんなファイル名の付け方をしたらいいのか、などアドバイスが必要な方は30分のオンラインコンサルティングをしていますのでお問合せください。

ラボ整理研究室

研究補佐員が働きやすい研究環境とは?

研究所や大学には研究者だけではなく他の職種の方も働いており、多くの人のサポートにより研究活動が成り立っています。しかし、研究サポーターとして研究業務員や技術補佐員という名称で呼ばれている職種の人がいることはあまり一般には知られていません。重要な役割でありながら雇用不安定な立場で働いている方も多い。非常勤で最長五年の雇用期限、研究費がなくなったり教授が変わったりすると途中で契約解除されるというケースもよくあります。

そうした研究サポーターには、「この散らかった部屋(実験室・オフィス)を片付けたい」と思いながら叶わないことがあります。

研究所の変革は問題が起きないと始まらないのか?


かつて、勤務していた企業の研究所で試薬管理システムを導入することになった際、会社から号令がかかりました。期限付きで(1ヶ月くらいだったと記憶しています)。

「あらゆる場所で試薬の存在を確認しリスト作成するように。他の全ての業務を差し置いてもこれを最優先とする。」

倉庫の箱の中も引き出しの中も全て、という意味です。これが研究所の中だけでなく工場や営業所含め全社で行われました。

組織のトップがこのくらいのことを言わないと、組織の中の変革は起きないんだな、と強烈に感じた出来事でした。

証拠としての実験ノート・誰がいつまで保管する?

実験ノートを保管していなかったがゆえに捏造疑惑を晴らせず退職金ももらえない・・・そんな悲劇、我が身に起きないようにしたいですね。

某有名大学に所属していた元教授が在任中に書いた論文。このうちの数本は故意に捏造されたものだと判断した、と報道がありました。以下、新聞記事から一部引用します。

ラボ恒例行事としての探し物

実験機器がたくさんあればあるほど大変な”例の”行事。
秋になるともう鏡やスマホを持ってありかを確認して回る姿が見受けられます。
リストにはあるのになぜが現物が見つからず幽霊化していることも。

言っても聞いてくれないとき


研究所の職場で ”片付けない人” に上司が注意したとします。

注意して改善すればいいのですが、言っても聞いてくれない、という場合も結構あります。

言われた人にとって、上司のいうことは従うべきルールと捉えられていないのでしょう。もしかすると、「この方が便利なのになぜ反対するのか」くらいに思っているかもしれません。


誰かが個人的に言っても受け入れられない。

そこで全体に注意喚起したり厳しくチェックしたりすると、
「自分はちゃんとしてるのにどうして言われなきゃいけないの」と不満に思う。
「〇〇さんのせいで自分たちまで怒られた」と職場の雰囲気が悪くなってくる・・・。

これはどうしたらいいでしょうか。

ラボ整理を進める4つの方法

ラボにあるものを整理する場合、いくつかのやり方があります。
それぞれの特徴やどんなモノをその方法で整理するのがいいのか、について書きます。

1. 全出し
2. 間引き
3. 期限付き
4. 全捨て

こういうラボで働きたいですか

ごっそりモノが溜まっている実験室。
天井まで棚があって変色したダンボール箱が詰まっている。
実験台の下にも雑多なものが突っ込まれたカゴが置かれている。
長いこと誰も使っていなさそうなモノが色々ある。
フリーザーが霜だらけ。
中身が何なのか、名前が書いてないチューブがしまってある。
上司や先輩が私物を共用棚に入れている。

使用頻度が低いのにストックが過剰でプラスチック製品は劣化。
培地は期限切れ。
試薬は使い物になるのかどうかわからない。

中が詰まりすぎていて引き出しが開かない。
開封してある同じ種類の瓶が複数あって、どっちから使ったらいいのかわからない。

使っていないものがスペースを塞いでいる。

何に使うのかわからないものもたくさんあり、いちいち聞かないとわからない。

自分の実験をしなきゃいけないし、忙しい。
上司は片付けに時間を割くことを理解してくれない。
(聞いて見たことはないが)
他の人の協力を頼むにも、上司の了解がいるが・・・
(そもそも上司がやるべきことで自分が言い出すことじゃない)

周りの人たちは気にならないのか、何も言わない。

どうにかしたいと思っているうちに時間が経つ。
気になるが手を出すと際限なく自分の時間が取られそう。
諦めの気持ちが勝つ。
後回しにするうち不便に慣れる。
自分があまり使わないものはどうでも良くなる。
自分が使うものだけは身の回りに集めて固めておくようになる。
気にしても仕方がないと思うようになる。


そして新しい人が入ってくる。


こういうラボで、働きたいですか?