整理されていないラボで起こる4つの困ったこととその対処法

実験している人が多い研究室ほど、整理を習慣づけるのが難しいです。

整理ができていないことによって起きる4つの困ったことと対処方法を紹介します。

1.  使用者不明品がスペースを占拠

年末に大掃除をすると大量にサンプルラックや試験管立てが集まるのは、いらなくなったものを溜めてしまっている証拠です。

特に冷蔵庫・冷凍庫はスペースにある程度余裕がないと一時的にサンプルを入れたい時や人が増えた時に困ります。

人数が多くてアクティブに研究しているラボほど、いつ誰が保存したかわからないサンプルや試薬が溜まりがちです。これを防ぐには区割り(誰がどこを使うか、共有品の何をどこに入れるか)を明確に表示し、定期的に中身を見直し、棚卸しをしていくことが必要だと思います。

各冷凍庫・冷蔵庫の管理責任者を決め、内容物の区割り表示と使用者不明品の整理をし、誰かが場所を使いたい時は責任者に相談するようにしましょう。責任者名を機器の見やすいところに掲示することも忘れずに。

2. 使えるものが使えない状態に放置される

整理されていないラボでは簡単なもののメンテナンスが行き届かないことが起こりがちです。例えば以下のようなものが見つかることがあります。

電池が切れたタイマー

汚れたり吸えなくなっているマイクロピペット(Oリングが劣化して不正確になっていることも)

吸わなくなっているピペッター(充電池が劣化しているまたは液を吸いすぎてフィルターがダメになっている)

切れ味の落ちたハサミ

電極のコードが外れた電気泳動カセット

書けなくなった油性ペン

 

こういうものを使おうとして電池ぎれだったりすると誰かを恨みたくなりますね。交換部品やメンテナンス工具を整理して収納し、置き場所情報をラボで共有することで、こういう不愉快な状況はかなり防げます。

ただ、ありかを知っていても交換しないというめんどくさがりもたまにいます。ラボのマナーを伝える最初の教育が肝心です。

3. 廃棄するべきものが残される

いつも使っている機械が壊れたら、データを出せなくなるのでとても困ります。そのため修理に出したり新しく買ったりと、すぐに動きます。

しかし使用頻度が低くて、管理者が特におらず、また他に使える同じ機能のモノがある場合、故障した機械はほったらかしにされてしまいがちです。なぜなら機械モノを捨てたり修理に出すのは手間がかかるからです。

こういう時は修理していつでも使える状態にしておくのか、廃棄するのか判断できる人、すなわち研究予算を持っている人に決めてもらいます。

小物は自分判断で捨てた方がいい場合が多いです。

細胞を保存する液体窒素タンクのラックが壊れ、底抜けになっており、タンクの中にチューブやケーンが落ちていてラックを入れられない状態になっていたことがあります。落ちていたものを拾うために長いトングを買いました。壊れたラックをさっさと捨てていれば、余計な買い物をしなくても済んでいたはずです。

細胞数をカウントする数取り機(1000円以下で買えます)。古くなってくると内部が磨耗してしまうのか、ボタンをカチカチ押してもカウントが上がっていかなくなってしまいます。全く使えない、というわけではないのでとっておきがちですが、さっさと買い換えないと正しくない細胞数を元にして実験することになってしまいます。

4. 必要・不必要の判断ができなくなる

整理が苦手な人(モノを捨てるのが嫌いだったり、面倒臭がったり、データを取る気がないのにズルズルと使わないサンプルをとっておく)は自分の場所がいっぱいになると、空いているスペースにどんどん自分のモノを入れていってしまうのです。そういう人がやりがちなのは、転籍したり卒業するときにモノを置き去りにしていなくなるという ”置き逃げ” です。

学部の卒業生はともかくとして、今後も研究を続ける人は使っていたサンプルや細胞を異動先へ持っていくことがあるので、いなくなった人のものを処分したくても本人に問い合わせしないと捨てられません。

後に残る人に手間を取らせることになるので、どこかに出ていくときには自分のモノは処分するか、引き継いでくれる人にリストを作って渡していくようにしましょう。

もしあなたが人のものを整理する立場になったら、ガラス瓶の液体を捨てたり、瓶を洗ったり、チューブラックの中身をゴミ袋に入れたり、ラックを洗ったりと結構時間はかかりますね。

あなたの研究時間が人の残留品整理で削られてしまうのは嫌だと思うので、同じ思いを他の研究者にさせないように気をつけましょう。

まとめ

整理されていないラボでは、困った状態が繰り返し発生します。ほとんどの問題は、使用者がわからない、あるいは共用品の中に潜む不用品を捨てられないことによって生じます。解決のためには整理を習慣づけるようにしていくのが遠回りなようで近道です。実験の合間に、まずは自分のもの(引き出しの中や実験台の上)を少し整理してみましょう。捨てるものはなんでもいいのですが、データを取り終わったサンプルがあればそこから始めましょう。