実験、データ整理、セミナー準備、文献調べ、学会発表準備、書類提出、など。
気が急いてどうしようもなくなることがある。時には全て投げ出したくなることも。
そうなると、モノの整理などやっていられないというか、気が回らなくなります。
そして、要・不要の判断をせずにモノを溜めすぎてしまうと整理に時間がかかるようになるので、整理のことを考えただけでうんざりしてしまい、手をつけられなくなります。
まさに悪循環です。
どうすればいいか、溜めてしまった理由別に書きますね。
ものが捨てられない理由
- まだ使用期限が来ていない、または使用期限が不明(試薬類について)
- 不要だと判断する時期が来ていない(研究テーマが継続している)
- 上の先生(教授など指導者や先輩)から預かったものだから捨てられない
- 他の人が使うかもしれない(けれども確認をとる時間はない)
- 単にもったいないので捨てられない(機械モノや道具、プラスチック製品)
- 投稿した論文でリバイスの時、再実験が必要になるかもしれないから(実験サンプルや試薬)
- 捨てていいものかどうかわからない(実験ノートや取説)
- なんのサンプルだったかわからなくなってしまっている
- とにかく、やることがありすぎて忙しいので整理に取りかかれない
1. まだ使用期限が来ていない、または使用期限が不明(試薬類について)
いらないんだけれど捨てるには勿体無い、だけど使えるかどうかわからない。こういうものは廃棄予定箱を作って入れましょう。試薬代がもったいないと思うかもしれませんが、誰かに押し付けたり共有スペースに忍び込ませたりして、他の人の実験が失敗するよりはましです。
他のラボメンバーの目につくところに置き、欲しい人に取ってもらうようにアナウンスや張り紙をしてもいいでしょう。
その場合、最後に使ったのはいつか、その時は大丈夫だった、というような情報をつけておくと親切です。
2. 不要だと判断する時期が来ていない(研究テーマが継続している)
自分はいらないと思うんだけど、という場合は指導者に要・不要を判断してもらいましょう。スペースが無くなっている場合はそのように伝え、別の保管場所を使えるように相談しましょう。
3. 上の先生(教授など指導者や先輩)から預かったものだから捨てられない
「これはいつまで保管ですか?」と聞いて見ましょう。忘れられている可能性が高いので。「取っといて」と言われたら、やはり別の保管場所を使えるように相談しましょう。大掃除の時期や年度替りの時がチャンス。
4. 他の人が使うかもしれない(けれども確認をとる時間はない)
不要品箱を作って目につくところに期限を決めて展示。貰い手がいなかったら廃棄処分。
5. 単にもったいないので捨てられない(機械モノや道具、プラスチック製品)
壊れていないのであれば、不用品として展示して貰い手を探す。どうしても自分で持っていたければ別のものを捨ててスペースを作る。もしくは、モノが活躍できるように手に取りやすい場所に置いてみる。
6. 投稿した論文でリバイスの時、再実験が必要になるかもしれないから(実験サンプルや試薬)
とりあえず、使った日にち順に並べる。いつのサンプルで、どうやって使って結果はどうだったか実験ノートを見て確認しながら付箋に情報を書き込み、サンプルの箱に貼り付けるなどしておく。
7. 捨てていいものかどうかわからない(実験ノートや取説)
まず指導者に尋ねる。ラボによっては論文がでるまで実験ノートはラボに保管、とか、X年保管といったルールを作っているところがある。実験ノートは大切なモノとして保管されるラボがある一方、ルールがないところも。
ネットでダウンロードできる取説や、セミナーの抄録、文献のコピーは捨てても全く問題ないです。ただし、XX社のマニュアルに従った、とか、参考論文の書誌事項などは実験ノートに記入しておくべき。
8. なんのサンプルだったかわからなくなってしまっている
すでになんだかわからなくなったものは諦めて思い切って捨てましょう。
実験ノートに書いた日付とサンプルの日付を照合できるようにしておけばこういう事態は防げます。サンプルをとった時に、付箋やテープに何のサンプルか、日付、いつ測定(使用)などの情報を書いておくことが重要。全てを記憶しておくことは特殊能力を持った人でないと無理です。必要なこと、思い出せるキーワードなどを書いてサンプルと一緒に保管することを習慣にしましょう。
9. とにかく、やることがありすぎて忙しいので整理に取りかかれない
お疲れ様です。大変ですね。
重い腰をあげるには、人に声をかけてアドバイスをもらう(実験台が整理整頓されている人は、整理が得意で時間に余裕がある人が多いです)、できれば手伝ってもらう、スケジュールの中に整理の時間を組み込む、やるべきことを小さなステップで具体的に書き出してみる、簡単なところから手をつける、をお勧めします。
整理したら自分へのご褒美(協力者がいたらその人の分も)として何か美味しいお菓子とか、好きな食べ物を用意しておきましょう。
案外、始めると乗ってくるものなので、整理した後のスッキリした実験台やフリーザー、そして自分へのご褒美を想像してモチベーションをあげましょう。