片付けに踏み出せなかった理由たち
後から振り返ると、“片付けに踏み出せなかった理由”はいくつもありました。
- 新参者がものを捨てたら警戒されそう(嫌われたくない)
- 捨てた後にトラブルになったら困る(責任がとれない)
- 一人で片付けたら時間がかかりそう(めんどう)
- 重くて動かせないものがある(ピペットより重いものは無理)
- 不用品と必要物の区別がつかない(実験計画を立てる立場ではない)
- 用途がわからない(専門知識不足)
- ラボ全体の意見をまとめる自信がない(強く言われるとめげる)
- 具体的に何から始めればいいかわからない(知識・アイデア不足)
こう並べると、前に進めなくなるのも当然です。
でも、片付かない悩みは、「片付けに向かう行動」を起こさない限り、決して解消されません。
とはいえ、最初の一歩は、収納の中で並べ替えパズルをして、見た目を整えることではありません。
自分だけの居室なら並べ替えも気分転換になりますが、共同スペースでそれをやってしまうと逆効果。
せっかくの努力が、感謝どころか「迷惑」と受け取られてしまうことさえあります。
大事なのは“まず目的”を押さえること
だからこそ、まず意識したいのが “片付けの目的” です。
目的がぶれなければ、的外れな行動をとらずにすみます。
片付けの目的はひとつ。
研究成果を出しやすい環境に整えること。
安全に実験でき、必要な道具や試薬や資料がすぐに見つかり、誰が見ても状態がわかる。
そんなラボには、所有者不明のサンプルチューブや、正体不明の沈殿物があるガラス瓶や、廃棄された機器の取説書なんてものは置かれていません。カビの生えた液体窒素タンクが放置されることもありません。