教授のデスクが散らかっているのはなぜか?(2)

前回の続きについて 教授のデスクが散らかっているのはなぜか?

少し詳しく解説をしていきます。

読者の皆様の身近にこういう方がいらっしゃいましたら、その方を思い浮かべながら読んでいただけたらと思います。

もし教授の仕事場が散らかっているとしたら、以下のような理由のどれか(または複数)が当てはまります

  1. 倉庫がわりで仕事には使っていない
  2. 整理整頓や収納に興味がない
  3. とにかく忙しくて時間がないので後回し
  4. 整理する気力がない(どこから片付けたらいいかわからないくらいの状態)
  5. 整理の必要性を感じていない
  6. 整理しないことで存在感を示している
  7. 散らかっている方が落ち着く
  8. 創造性を発揮できる、新しいアイデアが湧く

1. 倉庫がわりで仕事には使っていない

倉庫なので、普段は使わないもの・使わなくなったものを置いています。見た目がどうであろうが、使わないものを置いているので仕事にはほとんど影響がありません。

中には家に持ち帰る方がいいようなもの、思い出の品に当たるようなものを研究室に置いている場合があります。避難所がわりとも言えます。

例えば、

  • 家族に邪魔扱いされそうな趣味のもの、卒業生や訪問者からのプレゼントなど
  • 子供関係のもの(昔、子供が書いた絵、使っていた人形、自分が買い与えた海外出張土産のおもちゃなど思い出のもの)

または、こういうものも。

  • 自分では捨てられないもの。前任者のもの、誰のものかわからなくなっているもの、古いパソコンやプリンター、一人では動かしにくい大型の机、本棚、キャビネットなど。

2. 整理整頓や収納に興味がない

特別な興味はないけれど、相当使いにくくなってしまったからやむなく片付けを始める方もいらっしゃいます。

しかし乗り気はしないまま最低限のものを横にどかすくらいなので、すぐに元どおりになってしまいます。

ある先生が、机で仕事がしづらくなったということで私に整理収納アドバイスを依頼されました。

しかし、次の一言にえっ、と思いました。

「整理するとスッキリするって、誰かそういう研究しているんですか」

研究者らしい質問にたじたじ・・・・ そこで一つ気づきました。

そうか、整理のすっきり感を味わったことがないんだ!

根本的にモノを整理する作業には興味がない、そして仕事としてやらなければいけないことや研究以外に時間を使いたくない、ということなんですね。

それでも最後には、

「前に比べて随分使いやすくなりました。整理について習ってよかったです」

と言っていただけました。

興味がなくても整理についての方法を知ることで、使いやすい状態を維持できるようになります。

学校教育では整理収納について教えないので、整理収納のやり方をご存じない方が多いです。私もそうでした。

もともと、研究者の方は勉強が得意なので整理収納の理論や方法をお伝えするだけで片付けが進むこともあります。

3. とにかく忙しくて時間がないので後回し

忙しくて時間がない。

この理由はかなりの方に当てはまるようでいて、そうでもない。

忙しくても整理の時間をスケジュールに入れていれば、だんだんに片付いてくるものです。

整理の時間をスケジュールに入れていない、プラス・後回しの習慣がついているところが散らかりの原因です。

4. 整理する気力がない(どこから片付けたらいいかわからないくらいの状態)

片付けたいとは思っているが、かなり積み上がってしまったから取り掛かるハードルが上がっている。

どこからやったらいいのかわからないそういう状態です。

どれが大事で、どれが要らないものかの判断をする作業は結構大変です。ものを処分する手間もかかります。誰かに手伝ってもらえるならそのほうが片付けは捗るでしょう。

しかし、自分のことを理解していない人に自分のものの整理を任せられない、あるいは機密性の高いものの整理を信頼して任せられる人がいない、ということもあります。

5. 整理の必要性を感じていない

ご本人は感じていなくても、周りにいるサポーターの方たち(秘書さんや、周りの先生方)は困っているかもしれません。

医学部で良くあるのは、教授への新着の届けものを置く場所がなくて秘書さんが困っているケース。

新着の郵便物や書類がすでに山になっている書類の上に置かれていませんか?

秘書さんが直接手渡しにきたりしていませんか?

何かの締め切りに遅れたことはありませんか?

必要な時にすぐにものが取り出せなくなっていませんか?

これらに当てはまることがあるなら、整理が必要な状態になっていると思ったほうがいいです。

「自分はどこに何があるか全部わかっている」、と言われる場合もあります。他人から見たら雑然として見えても、自分の中ではものの配置を決めて全部記憶している、ということです。

それが本当かどうかは別として

自分一人のスペースで仕事をしていて、他の人は一切関与しないという場合なら、不便はないのでしょう。

もし誰かと共有している場所だったり、すぐ近くに他の人が座っているような場合、

自分の荷物が周囲まで進出していないか?

床に置いてあるものが通行の妨げになっていないか?

地震が起きたら崩れていくような状態になっていないか?

をチェックした方がいいのではないかと思います。

6. 整理しないことで存在感を示している

何かきっかけ(定年・転職・引越し)でもない限り荷物が置きっぱなしになる可能性が高いです。

でも、いざという時には片付けなくてはいけないので大変な思いをして一人でやるか、誰かの手を借りることになります。

既得権としてスペースを占有しておきたい・片付けるのが面倒になってそのまま、というパターンもあります。

いずれにしろ、ほとんど使っていない場所に自分の身代わりとしてモノを置いているので、周囲の人からは「もったいない」「そこを空けてくれればもっと有効に使えるのに」と影でささやかれているかもしれません。

7. 散らかっているほうが落ち着く

確かにどういう状態が心地よいかは人それぞれで、基準はありません。9割の人から見て散らかっていてもご本人にとっては気にならない・快適レベル、というのはあるでしょう。

ただ、もしかすると、ちょっと忘れっぽくなっていませんか?

整理したら大事なものを捨ててしまうんじゃないか

いつか必要になるんじゃないか

ものの配置が変わると覚えていられなくなるんじゃないか

という不安を感じていませんか。

整理するのが面倒臭い人が、片付けない言い訳としてこういうことを言う場合もあり、本当に落ち着くから散らかしたままでいるのかどうか、見分けるのは難しいです。

周囲の人が「ああいうところが先生は落ち着くのね」と誤解していることもあります。

8. 創造性を発揮できる、新しいアイデアが湧く

こんな記事を見つけました。

天才の机は散らかっていた!混沌とした環境でこそ創造性は発揮される

とても興味深い記事です。

しかし、散らかっていたから創造性が発揮できたのではなく、ずっと考え続けていたから閃いたのであって、散らかった状態のおかげかどうかは怪しいと思います。

それに、この記事に出ている机の写真は散らかっているうちに入りません。教授の机はこんなもんじゃないです。日々、使わないものがどんどん入ってくるので、何もしないでいるとあっという間にスペースが埋まり、創造性を発揮するべき人間の居場所がなくなってしまいます。

まとめ

教授の机が散らかっているのはなぜか、というテーマについて考察してきました。散らかった状態が持続しているのには色々な理由があります。

研究や仕事が支障なくできる状態であれば、無理して片付ける必要はないです。

ただ、教授室はほっておくと必ずものがたまります。

片付く仕組みを作っておく。

そうすれば先生ご自身も、周囲のサポーターの方たちも、ストレス少なく集中して快適に仕事ができるのではないでしょうか。