ラボや研究者オフィスには、アンタッチャブルな存在がいろいろ眠っています。
そのうちの一つが論文のリプリント(別刷り)。
かつてこの別刷りには色々役割がありましたね。
1. 研究背景を知ってもらうための資料として学会発表のときに配る (ポスター発表の際、一緒に置くなど)
2. 研究者同士のコミュニケーション(わざわざ手紙を出して別刷り請求することでお近づきになる)
3. 論文を読みたい人が請求してくることに備える
4. 転職希望先に自分の業績を知らせるため、履歴書にリプリントを添付して提出
5. 思い出のものとして持っているために
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いわゆる一流ジャーナルに載ったら、100部とか200部とか購入されていたのでは。
あちこちに配って、そして今、余った別刷りはどうなっているでしょう。
所属組織のお金で購入した別刷りは、要不要の判断をされる機会がなくただ眠っているだけ、となっていませんか。
今や電子化が進んで、ジャーナルがPCでも読めて簡単にプリントできる時代となりました。そのため、わざわざ購入して持っておく意味はなくなってしまったのではないでしょうか。
ある研究室では、本棚3段分あったものを各10部に決めて整理したところ、3分の1以下のスペースで収まりました。
この研究室では論文ごとに書類ケースに収めてあったのですが、ぎっしり詰め込みすぎている上に経年劣化でプラスチックケースが割れていました(右写真)。
割れているものは捨て、新しいケースに入れ替え、年ごとにラベルを付け替えました。
歴史が長く、業績が多いラボほど、こういうものが場所を取っている可能性があります。
不要なものの整理のためにこれから研究する人の時間をとらないよう、何かの機会に見直しませんか?