廃液タンクを最適な場所におけない原因

いろいろな事情で、ラボのものを最適な場所に置けないことがあります。

主な理由としては

  1. スペースがない
  2. 収納棚の位置や棚板の高さ、奥行きが合わない
  3. 今置いてあるモノが大物(や精密機械)なので動かしにくい
  4. 電源が取れない(コンセントを挿す場所がない)
  5. 電源ソケットの形状が特殊

年度末の消耗品の大量購入で、一時的に置き場所が足りなくなることも。

また、別の理由が潜んでいることもあります。

それは・・・

見た目が悪いので目につくところに置けない(置きたくない)

ということです。

例えば廃液タンク。

実験廃液は20Lタンクなどにためておき、専門の処理業者に依頼することになっています。

あるラボで、動線上使いにくい場所にこのタンクが置いてありました。

ちょっと奥まった場所で人一人がやっと通れるような狭くて暗いところ。

そこでタンクの蓋を開け、ガラス瓶に入った液を捨て、ガラス瓶を数メートル離れた流しで洗い、またさらに数メートル離れた場所へ瓶を返しにいく、ということを何人もの使用者が毎日繰り返しています。

わざわざ使いにくい奥まったところに廃液タンクを置いている理由は、

外部からの見学者が多いので、見た目が悪いものは目立つところに置かない

ということでした。

  • タンクに入れ損ねた液をこぼしても使用者が拭かないからタンク周りが汚れてしまう
  • 液だれしている瓶を持って通路を歩く人がいるのでタンク近くの通路が汚れる

 

見学者が多い、といっても毎日ではなく不定期なのですが。

こういう場所で、使いやすさよりも見た目重視になってしまう原因が

汚しても拭かない、拭くのが面倒

という使用者にあるとしたら、どうしたらいいのでしょう。

確かに、薬品を秤量する天秤に何かこぼしても拭いてない、ということは会社ラボでも大学ラボでもありました。実験という面倒くさいことをやっているにもかかわらず、掃除や洗い物になると急に面倒くさくなってしまうのはなぜ・・・?

故意に拭かなかったのではなく、後でやろうと思っていて忘れてしまったのかも。

ただ、忘れないようにするためにも、紙タオルを近くに置くことがキレイに保つために必要では?と思います。

天秤周りについても同じことが言えます。人間は結構面倒くさがりで、「あ、こぼした」と自覚していても、すぐ近くに掃除するものがない、ゴミ箱がない、という時には見て見ぬふりで立ち去ったりします。

あとで拭くつもりでも、時間が押しているとか実験中で反応時間が終わりそう、といった時には掃除を後回しにして忘れてしまったりします。

几帳面で親切な人だけが割りを食うようなラボにしないためには、皆がルールやマナーを守りやすいような仕組みが必要だと思います。