医学や生物系ラボでは必ず何種類かの冷蔵庫・冷凍庫があるのではないかと思います。
研究が盛んなラボではこれらのスペースは足りなくなりがちで、必要に迫られて棚卸しをしたり増設したりしているのではないでしょうか。
先週は筆者のラボで大型冷蔵庫が故障し、中身の大移動をしなければなりませんでした。幸い2日で復旧しましたが、ラボメンバーには「また使えなくなったらどうしよう」という危機感が生じ、モノを整理できたので良かったかもしれません。
このトラブルをきっかけにラボの冷凍庫・冷蔵庫のスペース分配について考えてみました。
冷凍冷蔵庫の配分で重要なこと
スペース配分をする場合、以下の3点を考慮する必要があります。
公平性
利便性
柔軟性
です。
なぜかというと、公平性がないとどこかで不満がたまり、ラボ全体の雰囲気に影響するからです。
また、使用頻度の高いものが使いにくい場所に入っていたり、見つけにくかったりすると非効率です。冷凍庫の扉を開けておく時間が長くなると他の人のサンプルにも影響しかねませんし、霜が付きやすくなって余計な手間(霜取り作業は大変です)がかかります。
そして物量の増減に柔軟に対応するため、ある程度の余裕を持って分配しておくと後が楽です。
冷蔵庫内のスペースはどうやって分けるのが公平で利便性に優れているか
分け方には色々あり、それぞれメリット・デメリットがあると思われます。
- 個人ごとに同じ大きさのスペースを割り振る
- グループごとに割り振る
- 実験用途別に割り振る
1. 個人ごとに同じ大きさのスペースを割り振る
公平にも思えますが、これだと大学院1年生も4年生と同じスペースが与えられることになるので、中身ガラガラで何もしまうモノがない、という状態で半年ぐらい過ぎてしまいます。
冷凍庫は中が全て個別引き出しになっている場合があり、最上段は引き出し丸ごと出さないと中身が見えません。身長によっては、使いにくいです。
2. グループごとに割り振る
上級生がたくさん入れられていいように思えます。しかし1年生のサンプルが増えそうな場合、スペース空けて欲しいと頼みにくくなります。
グループメンバーの物品が一箇所にまとめられるのでグループ内共有品の使用には便利です。しかし個々人の試薬やチューブの収納がいい加減だと、散らかってしまって目的のものを探しにくい状態になります。
3. 実験用途別に割り振る
研究室全体で使うものを共有でき、試薬代の節約に繋がります。しかし、試薬が減ってきたときに補充するルールを全員が守るように徹底しないと、トラブルが生じます。
状況によって組み合わせる
筆者のラボでは、3つの方法を組み合わせています。
その際考慮に入れているのは、使用頻度の低いものがある場合は最上段へ、重量物(培地の10本入り箱など)は最下段、使用頻度の高い共有品は最も取り出しやすい場所(中段)に入れる、ということです。
それから物量増への柔軟性を持たせるため、共用スペースの予備を1-2箇所作っておきます。
配置図による表示と見直し
どこに何を入れているかは配置図に表示し、冷凍庫扉の外側に貼ります。これが無いと、目当てのものがすぐに取り出せません。
個人及びグループのスペース配分、全体の配置は必要に応じて見直しし、その都度配置図に書き込むまたは作り変えるようにします。
上記のようなことは、あなたのラボでは当たり前に行われていることでしょうか。
それならきっと、使いやすい冷蔵庫(冷凍庫)なのだと思います。