”共有地の悲劇”がないラボにするには

Christian B.によるPixabayからの画像 


青々と草が生い茂る共有の牧草地で複数の人が牛を飼うとき、各個人が牛を増やして利益を追い求めると社会の秩序が壊れてしまう。

アメリカの生物学者、ギャレット・ハーディンはこのことを「共有地の悲劇」と呼んで紹介しているそうです。(Science 162. p1243-1248, 1968)

ロルフ・ドベリ著 ”Think right” (2020年、136ページ)の中で著者のドベリ氏は、

共有地を問題なく使うためには解決策は2つしかない

と結論づけています。その解決策をラボに当てはめるとどうなるでしょうか?

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今回の記事では、ラボでの共用の場所をめぐるトラブルと、ストレスの少ないラボの共通点、また、リーダーにおすすめしたいことを書いています。

目次

1. ラボで見られる共有地の悲劇
2. 解決策を待ち受けるさらなる問題
3. 共有地ストレスの少ないラボの共通点
4. どうしたらいいのか

言っても聞いてくれないとき


研究所の職場で ”片付けない人” に上司が注意したとします。

注意して改善すればいいのですが、言っても聞いてくれない、という場合も結構あります。

言われた人にとって、上司のいうことは従うべきルールと捉えられていないのでしょう。もしかすると、「この方が便利なのになぜ反対するのか」くらいに思っているかもしれません。


誰かが個人的に言っても受け入れられない。

そこで全体に注意喚起したり厳しくチェックしたりすると、
「自分はちゃんとしてるのにどうして言われなきゃいけないの」と不満に思う。
「〇〇さんのせいで自分たちまで怒られた」と職場の雰囲気が悪くなってくる・・・。

これはどうしたらいいでしょうか。