”安全巡視で言われないところ” に問題が潜む

職場で行われている安全巡視ではどんなことを指摘されるでしょうか。

転倒防止金具の設置の有無や廊下にものが置かれていないか、ガスボンベスタンドが床に固定されているか、など。

こういうことももちろん重要なのですが、

安全巡視では指摘されにくい部分の整理をすることで、真の意味での環境改善が実現します。

会社や上司の方針で捨てられないものがある・共用の部屋で誰が使っていたかわからないものがたくさんある、そんな場合、結局最後には誰かが捨て作業のために時間を使うことになります。

この時間は、本来は研究に充てるべき時間です。

今現在、スペースが足りなくなっている・管理に手間がかかっている・イライラの元になっている・使うあてがないモノがある・誰も使っていないのに前から置いてある。

そういうものを整理することで職場環境は確実に改善します。

まず、スペースに余裕ができます。

さらに、

使いたいところに使いたいものを置けるようになる

取り出しやすく・戻しやすくなる

在庫がわかりやすくなる

という効果が期待できるのです。

環境改善効果が上がるのは、廊下に置かれている明らかなゴミを捨てることよりも、しまいこまれているものを整理する方なんです。

でも、みんな、なんとなく気づいてはいてもこういうものの整理が進まない。

個人のものは個人が満足いく程度に整理すればいいのですが、共用品・共用スペースについては誰かがリーダーシップを発揮して置くものや配置を決め、また見直しをしていかないと全員が不利益を被るのです。

その原因としては

1. PIの考え方

2. ラボの慣習

3. 人間関係

があります。

ものの整理が上手くいかないラボは表面上は穏やかでも、かなり根深い問題を抱えていることがあります。

PIが見て見ぬ振りを続けていると、気づいた時にはその問題解決に精神的にも肉体的にも相当な労力を必要としますので注意が必要です。